札幌障害年金相談センターに寄せられたご相談には「働いていると障害年金は受給できないのですか?」というお問合せを頂きます。その件については、何度かご説明して来ていますが、今回は少しニュアンスが異なります。では、今回のご相談内容をみて行きましょう。

ご相談

私は、精神疾患、うつ病で10年程通院をしています。

障害者手帳の申請は先月行って、まだ手帳自体は手元に来てません。

障害者手帳が届いたら、障害者雇用で就職したいと考えているので就職活動をしようと考えています。

もし私のうつ病の病状で、障害年金を受給できるのであれば働き始める前に障害年金の手続きをした方が良いのではないか、 (初診日時点では国民年金に加入していたので)障害年金は障害等級2級以上でないと受給できません。働いていると障害等級2級は無理でないか、と回りの人たちが言うので相談の連絡をいれました。

宜しくお願いします。

回 答

ご相談を頂きまして大変にありがとうございます。

1,仰る通り国民年金の障害基礎年金は障害等級が1級と2級しかありませんので、障害等級3級以下だと障害年金の受給はできません。

2,障害者雇用とは言え「働いていると障害等級2級は無理」というご相談は、当センターにも多く寄せられていますし、そのような対応をされている社労士の方々もおられるようです。

その意味において、職に就いて働き始めてから障害年金の手続きをするよりは、就職自体が決まっていない内に手続きをされた方が良いというお考えも理解できます。

3,私も、就職をされる前に障害年金の手続きをされることは賛成ですが、理由が異なります。

(1)障害等級2級相当の人の障害の程度が、働き始めると障害等級3級相当に自動的に障害の程度自体が軽くなるものではありません。あくまでも障害等級2級相当の障害は、障害等級2級相当です。

(2)その意味において、障害等級2級相当の方が、例え働いたから障害等級2級の障害年金の受給はできない、というのはそもそも矛盾するように思います。

(3)障害等級2級相当の方の診断書による主治医の診たても、恐らく障害等級2級相当と思われる診断書になるはずです。

だったら、就職前でも、就職した後でも障害年金の手続きをするのはどちらも良いのか?

私の見解としては、就職前の方が断然良いと考えます。

その理由は、次の通りです。

就職前に障害年金の手続きをした方が良いと進める理由とは?

①通常の書類作成よりも手間暇がかかる

障害等級2級相当の診断書を添付すれば、障害年金の障害等級は必ず障害等級2級になるのか?

それは必ずしも障害等級2級と判定される訳ではありません。

特に書類をただそろえて障害年金の年金請求書一式を提出するようなら、障害年金3級以下の評価を受ける可能性が十分にあります。

そうならない為にも、障害認定基準で『現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。』とある通り、普段の書類作成に加えて、このことを踏まえて障害年金の請求の関係書類を作成する必要があります。

②就労状況把握に要する時間

そして、ごく短い期間で退職してしまった等のことが無ければ、この就労状況を把握するのは、少し時間的経過が必要であることはご理解頂けると思います。

以上2つの理由によりは、私は、就職する前に障害年金の手続きをした方が良いと思う理由です。

是非ご検討して頂き、速やかな障害年金の手続きをされるようにして下さい。

何かお困りのことがあれば御遠慮なくお声をかけて下さい。

まとめ

今回は、障害者雇用で勤務を希望される方からのご相談でした。

ご相談内容からして、障害等級2級相当かと思うので、就職が決まってしまうと障害等級2級の障害年金を受給できない可能性があります。どうしたら良いでしょうか、という趣旨であることを前提で回答させて頂きました。

※勿論、障害等級3級相当の人が、2級の障害年金を受給する為には、ということは踏まえておりませんのでご了承下さい。

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