札幌障害年金相談センターでお受けしている「障害年金」のご相談の中でも、「発達障害」の方からのご相談がとても多いです。そこで、今までの経験を通して「障害年金」の申請ポイントをまとめましたので皆さまの少しでもお役に立てれば幸甚です。また、御相談等あればお気軽にお問合せ下さい。

発達障害とは

発達障害とは、生まれつきの脳の障害のために言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築くことができない、特定分野の勉学が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手、といった症状が現れる精神障害の総称です。

症状の現れ方は発達障害のタイプによって大きく異なり、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、などさまざまな障害が含まれます。幼少期または学童期から症状が現れますが“変わり者”“怠け者”という誤った認識がなされ、見過ごされているケースも多いと考えられています。社会人になってから、不注意やミスが多いといった症状が目立つようになり初めて診断が下されるケースも少なくありません。

「自閉症スペクトラム障害」については、こちらをご覧下さい。

「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」については、こちらをご覧下さい。

「学習障害」については、こちらをご覧下さい。

「広汎性発達障害」については、こちらをご覧下さい。

「アスペルガー症候群」については、こちらをご覧下さい。

「発達障害」の障害認定基準(抜粋)

発達障害の障害認定基準は下記の通りです。

(1)発達障害とは、自閉症 スペクトラム障害アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。

(2)発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会活動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることを着目して認定を行う。また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

(3)発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害が伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする

(4)各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

1級発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しく制限を受けるもの

(5)日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める

(6)就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。引用元:発達障害の障害認定基準

日常生活能力及び就労の判断について

上記「障害認定基準」の通り、「日常生活への適応にあたって援助が必要なもの」が障害等級2級であり、「日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの」が障害等級1級に該当します。

ですが、発達障害を抱える方は、「自力で行えない」というよりも、自力でやれても、その行った結果を見ると、普通に求められる程度には達しないことが非常に多く、その後始末に家族や周囲の人がフォローすることになります。その程度に応じて、援助がなければ出来ないのか、時に応じて援助があれば出来るのか等の判断がされます。

働いていると「障害年金」は受給できない?

「障害年金」は働いていても支給される場合があります。但し、発達障害の場合、就労の事実は認定のマイナス評価される傾向にあると思われます。

障害者雇用枠や一般就労で働いている場合

「障害認定基準」に下記のような記載があります。

『就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、に、仕事のその療養状況を考慮するととも種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。 』

もし働いていたとしても、働いている状況について、この「障害認定基準」に基づいて、できるだけ詳しく伝えていくことが必要です。

「障害年金」申請のポイント

「発達障害」で「障害年金」を申請しようとする場合、下記の2つが申請ポイントとなります。

1,診断書の評価

(1)医療機関に作成して貰う診断書は、「障害年金」用の診断書になります。書式はこちら(一番下の方)です。

(2)この診断書は、「障害年金」自体の支給決定の有無のみならず、障害等級の決定に大きな影響があります。

(3)診断書のポイントは、日常生活能力の評価がより正しく評価を受けているかどうかです。

これは「正しく評価をしてくれて当たり前ですよ」と思われがちですが、当センターでお受けしている案件で「主治医の評価」と「ご本人及びご親族の評価」が一致しないことが多いことをお伝えさせて頂きます。

ご親族が同居されている場合は、ご親族の方から日常生活の状況をお伝えして頂く必要があるかもしれません。

2,病歴・就労状況等証明書の作成

(1)診断書は第三者である医療機関が作成しますが、「障害年金」を請求するご本人が、日常生活状況を訴える書類が 「病歴・就労状況等申立書」 です。ですので、この 「病歴・就労状況等申立書」 はご本人(又はご親族等)が作成することになります。

(2)この「病歴・就労状況等申立書」は、発症時から現在に至るまでの病歴などを記載する書類となっています。

(3) 「病歴・就労状況等申立書」 の作成ポイントは、主観的に記載しないことです。

例えば、「~辛かった」ことを表現したい場合、「どう辛かった」のか、それが「発達障害」の症状にどう関係があるのか等を第三者に理解できるように具体的に記載して下さい。

病歴が長い方に関しては、記憶が曖昧になっていることが多いので、ご親族等と確認しながら作成すると良いと思います。

(4)ご自身の行動の特徴を客観的に把握されている方もいらっしゃいますが、そのような方達ばかりではないので、ご親族と同居されていない場合でもご親族等の助力を得て作成されることをお勧め致します。

まとめ

以上が、簡単ですが「発達障害」で「障害年金」を申請するポイントとなります。もしご不明な点等がありましたらご遠慮なくお問合せ下さい。

最後読んで頂きまして大変にありがとうございました。

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★ 障害年金受給診断は無料で行なっております。

少しでも障害年金に該当する可能性があると思いになった方は専門家による障害年金受給診断チェックを申し込まれることをお勧めします。

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