私の夫は、4年前に右腕を切断し2級の障害厚生年金の受給権を取得しましたが、同時に労働基準法の障害補償を受けられたため、全額支給停止されています。2年ほど前から、夫は再び会社勤めを始めましたが、今度は内臓疾患のため、日常の用は自分でできますが、働くことができないため現在休職中です。このまま治らなければ、新たに障害厚生年金が支給されますか。

障害厚生年金(障害等級の1級または2級に該当するもの)の受給権者に対して、さらに障害厚生年金(障害等級の1級または2級に該当するもの)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給し、従前の障害

厚生年金の受給権は消滅します。たとえば、右腕を失ったため2級の障害厚生年金を受けていた人が、次に別の事故によって左腕を失った場合には、全体として見れば、右腕と左腕の両方を失ったことになり1級の障害厚生年金が支給されます。ところが、ご質問のように前後の障害のうち、いずれかが業務上の傷病に基づくものである場合があります。業務上の傷病に起因する障害について労働基準法第77条の規定による障害補償が行われる場合には、障害厚生年金は6年間支給が停止されます。以下、併合認定による障害厚生年金とこの労働基準法第77条の規定による支給停止との関係を説明します。

(1)従前の障害厚生年金(障害等級の3級に該当するものを含む)が支給停止されている間に、さらに障害厚生年金(障害等級1級または2級に該当するもの)を支給すべき事由が生じたときは、併合認定による障害厚生年金は、従前の障害厚生年金の支給停止期間中は支給停止され、その間、従前の障害を併合しない障害による障害厚生年金が支給されます。