抗核抗体とは、 自己の細胞中にある細胞核を構成する成分を抗原とする自己抗体の総称である。膠原病が疑われた場合のスクリーニング検査として利用される。 (wikipediaより)

抗核抗体とは

抗核抗体(antinuclear antibody: ANA)とは、真核細胞の核に結合する抗体群の総称です。検査法には関節蛍光抗体法(indirect fluorescent antibody method; IFA)、酵素結合免疫吸着測定法(enzyme-linked immunosorbent assay; ELISA)、蛍光酵素免疫測定法(fluoroenzyme immunoassay; FEIA)の3種類の方法があり、多くの場合にはIFA法による測定が行われます。

検査法ごとの特性

IFAでは染色パターンからある程度の対応抗体を推測できます。例えばdiscrete speckledの場合には抗セントロメア抗体とほぼ判定できます(表)。

ELISAでは膠原病に特異的な9種類の抗原(RNP、Sm、SS-A、SS-B、CENP-B、Scl-70、Jo-1、dsDNA、ssDNA、リボゾーマルP)に反応する抗体を検出します。FEIAではELISAの9種に4種の抗原(PM-Scl、PCNA、Mi-2、フィブリラリン)を加え、かつssDNAを除いた12種類の抗原に反応する抗体を検出します。

検査時の注意点

抗核抗体は特異度の低い検査であり、健常人でも陽性となることがあります。特にIFA法における均質型、斑紋型の抗核抗体は特性が低く、抗核抗体陽性のみで膠原病と診断することはできません。

専門医への相談のポイント

抗核抗体陽性であっても患者が無症状の場合には、必ずしも専門医へ相談する必要はありません。

引用元:抗核抗体(ANA)
染色パターン主な自己抗体関連疾患
Homogeneous (均質型) 又は diffuse (びまん性型)抗ヒストン抗体(LE因子)、抗DNA抗体薬剤誘発性ループス、SLE
Nucleolar (核小体型)抗リボソーム抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体SLE、強皮症
Peripheral (辺縁型) 又は shaggy(シャギー型)抗DNA抗体SLE
Speckled(斑紋型)抗Sm抗体、抗U1RNP抗体、抗SSA抗体、抗SSB抗体、抗Scl-70抗体SLE、MCTD、強皮症、シェーグレン症候群
Discrete speckled(散在斑紋型)抗セントロメア抗体CREST症候群、原発性胆汁性胆管炎