障害年金制度上の「因果関係」について

医学上、前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病(通常、負傷は含まない)が起こらなかったであろうと認められる場合、「相当因果関係あり」と判断し、障害年金の手続き上は前後の傷病を同一の傷病として取り扱います。

「相当因果関係あり」の例

1,「糖尿病」と「糖尿病性網膜症」又は「糖尿病腎症」、「糖尿病性壊疽{えそ}(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症)」

 → 障害年金用の診断書で、「糖尿病」の合併症として「骨粗鬆症」と記載があったとしても、「障害年金」請求の審査上では、「糖尿病」と「骨粗鬆症」は相当因果関係はないと判断される。(20230606時点)

 →【例】 「糖尿病」によって「骨粗鬆症」となり、転倒すると骨折しやすい状況があったとします。

 実際転倒して骨折をし、そのことで肢体に障害を負ってしまった。「糖尿病」と「肢体の障害」を「相当因果関係あり」として「障害年金」請求できるか?

 回答としては、「因果関係なし」と判断されます。

「骨粗鬆症」は確かに骨折しやすい状況を作っていますが、骨折の直接の原因は「転倒」である為、「転倒」は「糖尿病」になったからというところまでは拡大解釈しません、というのが現状の日本年金機構の判断です(20230606時点)。

2,「糸球体腎炎(ネフローゼを含む)」、「多発性のう胞腎」、「慢性腎炎」に罹患し、その後「慢性腎不全」を生じた場合、各々の期間が長かったとしても「相当因果関係あり」と判断する。

 → この場合、「社会的治癒」を適用するものが難しいことになります。

3,「肝炎」と「肝硬変」

4,「結核」の化学療法による副作用で「聴覚障害」が生じた場合

5,手術等の「輸血」で「肝炎」を併発した場合

6,「ステロイド」の副作用で「大腿骨無腐性壊死」が生じた場合

7,「事故」又は「脳血管疾患」による「精神障害」が生じた場合

8,「肺疾患」の手術で、その後「呼吸不全」を生じた場合、手術と「呼吸不全」となった期間が長くても、「相当因果関係あり」と判断する。

 → この場合、「社会的治癒」を適用するものが難しいことになります。

9,「転移性悪性新生物」は、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できたものは、「相当因果関係あり」と判断する。

「相当因果関係なし」の例

1,「高血圧」と「脳出血」又は「脳梗塞」

2,「近視」と「黄斑変性症」、「網膜剥離」又は「視神経委縮」

3,「糖尿病」と「脳出血」、「脳梗塞」

4,「ポリオ」と「ポストポリオ症候群」は、一定の状態で経過していた場合は、別疾病として取り扱われる。

まとめ

「因果関係」の有無についは、必ず主治医に確認をして下さい。また、「因果関係あり」と判断される場合は、必ず診断書に記載をして貰いましょう。

また、ここで注意点として、「合併症」に記載がある疾患だからといって、必ずしも障害年金制度上の「因果関係あり」と判断される訳ではありませんのでご注意ください。